法人化したことで、働く人たちも、
クライアント様も、幸せになれた。
高校卒業後、警備業界の大手企業に新卒で入社するも、半年で退社。その後、1997年頃にシーリング施工の会社へ個人事業主の職人として登録。約10年の経験後、2007年にフリークスを設立。現職に就任し、現在に至る。
働く人を守るために会社を設立。
シーリング施工の仕事を始めたきっかけは、同級生から「稼げる」と誘われたことでした。最初は「自分には合わないかも」と感じていましたが、自分の技術に報酬をお支払いただいているという感覚や、やることをやって稼げば休日の取り方をはじめとして自由が効くというワークスタイルが、結果として自分に合っていたのだと思います。会社を設立した理由は、決して事業規模を拡大したかったわけではありません。設立の数年ぐらい前から私に直接、施工をご依頼いただくお客様が増えてきたため、扱うお金の額も、職人の数も多くなり、働く人たちのことも、私自身も守らないといけなくなってきました。世話になっていた税理士からも「会社にした方がいい」というアドバイスをもらい、設立したというわけです。
法人化によりみんながハッピー。
設立当初は正直なところ、学生時代の友人で一緒に働いてもらっている人を中心に、信頼できるメンバーだけを正社員として雇用していました。だけど現在は、シーリング施工の職人として働いてもらう人は全て、正社員として雇用しています。私が職人を始めた頃のように、やればやった分だけ稼げるという時代でもないし、働く人たちも「稼げるよりも安定していること」の方を求めるようになってきたという印象を受けています。私も社員の人たちには安心して働く環境を整えておきたいし、その方がご発注をいただけるクライアント様からも信用していただける。結果として、法人化したことで働く人にとっても、クライアント様にとっても、経営者である私にとっても、みんながハッピーになれたように思います。
資格取得支援制度を整えた理由。
建設業界は人手不足と言われて久しいですが、ご多分に漏れず当社も人材がもっといてくれれば、もっとたくさんの現場を手がけられる、という状況にあります。今よりも多くの人が当社で長く働いてもらうためには、働く人たちが「働きやすい」と感じてもらえる会社になるよう、さまざまな制度や仕組みを整えるのが経営者の責務だと思っています。その一つとして整備したのが、資格取得支援制度です。ホームページで「資格保有者」としてラインナップしている各種資格を中心に、受験料や講習料は100%、会社負担させてもらっています。資格保有者が数多く、正社員として働いているということは、クライアント様の安心材料にもなり、ご依頼いただく施工現場の数も自ずと増えることにもつながりますから。
緩やかな成長を続け、幸せになる。
「会社として将来のビジョンはありますか」と聞かれることも、よくあります。そんな時にたとえば「●年までに年商●億円」などと具体的な数値で示せばいいのでしょうが、私はそういうことよりも、今、一緒に働いている人たちが少しずつ、今以上に良い暮らしができるようになればそれでいいのでは、と思っています。もちろん、業績や企業規模が大きくなるに越したことはありません。ただ、ここ最近は同業の会社を「買いませんか」というお誘いも受けたりしますが、そうやって無理やり企業規模を大きくさせるというのも個人的には「違う」と感じています。私の夢は、前述のように今いる人たちが幸せになれるような緩やかな成長を継続できる環境を整え、いずれは胸を張って後進に引き継ぐことです。